メディカルトーク 無意識に行いがちな口呼吸 歯の着色や虫歯、歯並びにまで影響を

メディカルトーク

症例

8歳男児。歯の表面に黒色の着色があり来院。診査の結果、着色だけでなく、う蝕(虫歯)も多発していた。常時口が開いており、口呼吸による口腔乾燥からの虫歯の多発と診断。治療し、口の筋肉の発達を促した。

現代病ともいえる口呼吸 口の中が乾燥し、着色や虫歯の原因に

近年は日常生活において柔らかい食べ物ばかり食べるようになり、口の周りの筋肉が発達しなくなったことで、口呼吸の子どもが急増していると言われています。そのほか、鼻炎などの鼻疾患により口で呼吸ができなくなったことがきっかけになる場合もあります。 口呼吸が習慣化してしまうと、口の中が乾燥し、唾液による自浄作用が少なくなってしまうため、着色したり、虫歯になりやすくなったりします。 また、口呼吸の子どもの多くは、口周りの筋肉の発達が遅れるため、歯並びが崩れていきます。そのほか、口臭も強くなることが多く、「朝起きると子どもの口が臭う」と話す保護者の方もいます。

口呼吸の改善にはマウスピースと 筋肉を鍛えるMFTトレーニングを

口呼吸により子どもの虫歯が多発している場合には、まず通常通り虫歯を治療します。その後、原因となる口呼吸を改善するため、小児用のマウスピース治療を行います。これは鼻呼吸を促進し、同時に口の周りの筋肉の発達を促すための装置です。MFT(筋機能療法)も行い、口周りの筋肉を鍛えるトレーニングをしていくことで筋肉のバランスが整い、崩れていた歯並びも整ってくることがあります。 鼻疾患が原因の場合は耳鼻科での治療が第一になります。口呼吸は、ウィルス感染の機会も増えると言われているため、甘いものを過剰に取りがちなうえ、大気汚染の深刻なベトナムでの生活では気をつけたい症状です。
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