ベトナムの今がよくわかる/ベトナムニュース解説9月号

ベトナム人の清涼飲料水消費、年間50億L

ベトナムの清涼飲料水の消費量は、2016年に40億Lを超え、2018年には50億L、2025年には110億Lになると予想されている。 国家栄養研究所によると、1人当たりの清涼飲料消費量は過去15年間で7倍に増加している。 また、2017年のベトナム人の砂糖の消費量は1日46.5gで、WHO(世界保健機関)の推奨値(25g以下)の2倍近くとなっている。 (Sai Gon Tiep Thi 6月28日, P. 6)
解説 「1、2、3、4……(砂糖を)4杯いれたよ!!」。幼稚園児の子どもとベトナムで暮らす、ある日本人女性は、街の飲み物売りのおばさんからその場で搾ってくれるオレンジジュースを買った際に、我が子が発したこの言葉が今も忘れられないそうです。 ベトナムなど南国の飲み物の甘さは、日本でもかなり知られていると思いますが、その場で果物を搾る、シェイクする飲み物などでも、店の人が当たり前のように砂糖を3杯も4杯も入れる姿を見て、「イットドゥオン/It duong !」(砂糖少なめ!)と必ず注文をつける日本人女性も多いようです。 なぜこんなに甘いものを好むのか、正確な理由を知るには科学・歴史的な研究に頼る必要がありそうですが、「砂糖は体を冷やす働きをする」と言われており、これは頷ける理由の1つだと思います。 なお本記事では調査の詳細が不明ですが、「清涼飲料水」消費の伸びの背景には、その場で果物を搾ったりする街角の屋台での飲み物購入から、ボトル・缶飲料の購入へとシフトする傾向が強まっている、といった消費動向も影響しているかもしれません。

ベトナム人の輸入品好きが、 国産品の販売を低迷させる

ベトナム人の多くは、海外からの輸入品が常に国産品より高品質だと思い込んでいる。 ホーチミン市内のとあるベビー用品店には、タイ製の離乳食と国産品が並んでいる。成分はベトナム製品と大差ないが、価格はタイ製品の方が3倍高い。それでも店員によると、ほとんどの客が高価でも良質で安全と思っているようで、輸入品の方が売れ行きは良いという。 (Phu Nu 6月20日, P. 7)
解説 ベトナム人の輸入品好きは、自動車、家電、ファッション、食品と多岐にわたります。これは筆者の個人的見解に過ぎませんが、その“格付け”は、「欧米:最高級」「日本・韓国:高級」「タイ:良品」「中国:低級」といったところではないでしょうか。 ベトナム語の商品名を「英語」に変えたところ、売上が大きく伸びたという例もあるようで、こういった欧米に対する憧れは日本人に共通する気もしますが、ベトナムで輸入品が強く支持される背景には、「モノが欠乏し国産品と輸入品に圧倒的な品質差があった時代があった」、「高額な輸入品はステータスシンボルになった」…といった理由もあるでしょう。 ただ、モノに事欠くことがなくなり、ベトナム企業も力をつけつつある近年では、国産品を明らかに見下す傾向は、かなり縮小した気もします。昔から課題と言われていたデザインなどもずいぶん改善されました。 「低品質」の代名詞だった中国製品が実力をつけ世界でシェアを奪ったように、ベトナムでも国産品が支持されるようになる日はそう遠くないかもしれません。
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