ベトナムふしぎ発見!/長子は「2番」?/ベトナムの北と南で違うワケ

一番上の子どもを呼ぶときに 南部では「2番」を使う!?

ベトナムでは長男や長女を表す言葉が、北部と南部で異なる。北部は「アイン(チ)・カー(Anh/Chi Ca)」で、「アイン(チ)」は兄(姉)、「カー」は「大きい」と「含む」を意味する。最初の子は親の代わりに兄弟の面倒を見るので、家族の中でも大きな存在となるからかもしれない。 一方、南部では「アイン(チ)・ハーイ(Anh/Chi Hai)」で、「ハーイ」は「2」を表す。つまり「2番目の兄(姉)」という意味だ。長子なのに、「2番」と呼ぶのはなぜだろう。「1番」はどこに消えたのか、ベトナム人でも知らない人が多いようだ。

呼び方の由来は 400年前まで遡る?

諸説あるが、カーマウ(Ca Mau)省のとある新聞記者が唱えた説が有名だ。 1558年に、南方への領土拡大に行ったとき、群れのリーダーである貴族は次男だった。また、南進するのは危ないため一番上の子どもを北部に残し、2番目の子どもから南方へ移民させた。そのリーダーの貴族や北部に残った長男や長女を敬い、忘れずに覚えていたいという願いから、一番上の子でも「2番目」と呼び始めた。 現在南部では、その数字を使った呼び方を「チューハイー(Chu Hai)/2番目のおじさん」、「コーバー(Co Ba)/3番目のおばさん」と、見知らぬ人に使うことも多い。誰でも家族のようにフレンドリーに接する南部人の性格が関係しているのかもしれない。
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