
症例
32歳女性。夫、小学生の子どもとともに来越して数ヶ月が経過。日本と比較し生活習慣、水や食材の違いなどもあり心配になって家族全員で検診のため受診。特に日常生活での歯のケアについてアドバイスした。
生活習慣病である虫歯や歯周病口の中の細菌が全身疾患に繋がることも
歯や口の中の問題というのは一般的に生活習慣と大きく関わっており、虫歯や歯周病も生活習慣病と言えるものです。
特に近年は、常在する700種類もの口腔内細菌(口腔内フローラ)と、糖尿病、心疾患、脳出血、脂肪肝などの全身疾患との大きな関連が判明しています。歯や口の中の衛生状態は、全身の健康とも密接に関係しているのです。
これらの口腔内細菌は歯垢(プラーク)によるところが大きく、口の中の清掃状態が不良だと、歯垢が増加します。自覚症状がなくても細菌数が激増している場合は多く、口の中の血管から血流にのって全身へと細菌が送り出され、全身疾患リスクの増大要因になってしまいます。
歯垢のたまりやすい食生活を避け
正しい歯磨きを心がけて
歯垢の付きにくい食生活と、適切な口腔清掃を日頃から実践することが大切です。糖が多い清涼飲料水やお菓子、柔らかくすぐ粘つく炭水化物などを多く摂取すれば必然的に歯垢は増加し、歯と歯の隙間や歯茎との段差にたまりやすいです。
歯ブラシは細部まで磨けるように、ブラシ部分がなるべく小さいものを、歯と歯の隙間にはデンタルフロスや歯間ブラシを使用し、歯磨き粉は適切な時間で丁寧に磨けるよう、味がきつくなく泡が立ちすぎないものを選びましょう。それでも歯垢の蓄積は起こるため、3ヶ月ごとの定期検診と、それに伴う歯科医院でのクリーニングにより徹底した口腔内のリスク管理を行うことで、全身の健康を維持増進することが大切です。