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メディカルトーク 脱腸として知られることの多い鼠径ヘルニア 鼠径部の膨らみを感じたら外科受診を

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カテゴリ:メディカルトーク
更新:2018/03/08 – 10:00

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メディカルトーク

症例

42歳男性。3年前から右鼠径部に膨らみ。陰嚢が腫れたため来院。患部に腸音を聴取。CT、エコー検査で腹腔内から鼠径部への小腸の脱出を認めた。鼠径ヘルニアと診断、メッシュシー
トによる根治術を行い、現在経過良好。

臓器が定位置から脱出するヘルニア
子どもから成人までなる可能性が

「鼠経ヘルニア」とは、鼠径部の筋膜の間から、腹腔の脂肪や腸、大腸、大網(胃に付着する脂肪)、卵巣などの臓器が、腹膜とともに皮膚の下に脱出する病気です。
主な症状は鼠径部の膨らみで、腸管が入り込むと腸の蠕動音を感じることがあります。腹壁にはまりこんだ臓器に穴があくと、発熱、発赤、痛みを伴い緊急治療が必要です。

原因は、男児の場合は胎生期に睾丸が陰嚢内に下りてくる際、腹膜が一緒に引っ張られ袋状(鞘状突起)になります。通常、この腹膜は自然に閉じますが、残ると鼠径ヘルニアとなります。女児も同様で、鞘状突起が閉じないため発症します。成人は加齢や腹圧で筋膜が弱くなり、鼠径管の隙間からのヘルニア嚢(腹膜の袋)の脱出が原因です。

きちんと治すためには手術が必要
人工シートを用いて腹壁を補強

根治的な治療は外科手術です。乳児期の発症は自然治癒もありますが、1~2年経過を見て、手術する場合が多いです。脱出した臓器が元に戻らない場合は手術の絶対適応です。手術では、臓器を腹腔内に戻し、ヘルニア嚢を切除、腹壁の穴を閉鎖します。成人の場合、筋膜や筋肉を縫合する腹壁の補強が行われてきましたが、近年はポリプロレンなど人工シートを用いた補強が主流です。また、腹腔鏡を用いた小さな創(傷)での手術も行われています。

いずれも従来法と比較し再発率が低いのが長所です。ベトナムでは現時点でシートが認可されておらず、緊急以外の手術を避け日本などで受けるのが無難です。鼠径部の膨らみを感じたら外科受診をお勧めします。

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