ベトナムの日本人/安蔵彩香さん、寿苗さん/ハノイインターナショナル スクール 12 年生

外国にいるからこそ、母国語の大切さを忘れずに。 母子の二人三脚で言語の壁を越えて大学進学

[caption id="attachment_82499" align="alignnone" width="570"]ni hon jin 「勉強しろって強くは言われず、『日本語だけは大切だよ』と言われてきました」 小学2年生でスリランカへ渡り、4年生からはベトナムへ。12年生の今、東京大学など複数の大学合格を果たした安蔵彩香さん。その成果の裏には母・寿苗さんが常に重んじてきた母国語の学習があった。 「海外で育つ子どもにとって一番の壁は、日本語能力をどう維持して伸ばしていくかだと思います」と力説する。 「難しい漢字が増える3 ~ 5年生頃に日本語離れをするのは『お決まり』。その時期にやるかが分かれ目です」 日本語離れをすると、英語力も伸びない例を多く見てきた寿苗さんは、早い段階から母国語教育を意識し、日本の通信教材やドラマ、漫画などを送ってもらう。 「そんなに本は読まなくて。日本の漫画を毎日読んでいました」と彩香さん。「日本のドラマを一緒に見てたよね」と寿苗さんは振り返る。長期休暇には日本で習う国語や算数を自宅で学ばせた。 「子どもは親が横で見ていないと、なかなか母国語の勉強はしませんから」 時には先生代わりとなり日本語学習を支えた甲斐あって、4年生から2年間通った日本人学校補習校では、全国模試で全国平均を上回る点数を毎年獲得。日本の同年代に劣らぬ学力が身についていた。 「母国語が確立されていれば、英語も後からグンと伸びます。とくに5、6年生頃から差が出るんです」 それまで平均的だった彩香さんの英語の成績が伸び始めたのもその頃だった。「6年生の英語クラスは、母国語レベルのAと学習者レベルのBがあるんですが、私はBだった。友達はAが多かったのに」「上達したい」と意識したのがきっかけとなって、1年後にはAクラスに上がり、8年生からは成績優秀者として表彰されるほどに。11年生でハノイインターナショナルスクールに転入し、さらに成績が向上。同校は少人数制で、日本語Aの日本人教諭が常駐する国内唯一の学校だ。 「2言語でA単位を取るとバイリンガルディプロマが取得できるんですが、授業で日本語が選べるのはここだけなんです」 先生や友人の支えもあり着実に学力を伸ばした彩香さんは、全科目でほぼ満点が要される東京大学の受験を決めた。 「自分が培ってきたものを、日本の土俵で試したいと思いました。合格すれば、海外でしか学んでいなくても、日本の人に劣らないという自信に繋がると」 ずっと平均点だったという彩香さんは、ガリ勉をするでもなく「本当に普通にやってきただけ」とはにかむ。 「小さい頃からコツコツ積み重ねてきた母国語学習が、実を結んだんだと思います」 今後はマーケティングを学ぶためイギリスの大学に進学予定だ。 「初めて親元を離れます。今は少しずつ料理を教えてもらったりしているんです」
プロフィール 安蔵彩香 1998年イギリス生まれ。7歳から9歳までスリランカ、11歳から現在までベトナムで国際バカロレア認定校のインターナショナルスクールに通う。東京大学および早稲田大学の英語プログラム、英国リーズ大学、バース大学に合格。
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