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過度のアレルギー反応「アナフィラキシー」
母子感染や性行為、輸血による感染リスクも

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カテゴリ:メディカルトーク
更新:2017/02/24 – 10:00

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メディカルトーク

症例

60代女性。山で蜂に刺され、皮膚が赤くなり息が苦しいと通報。ドクターヘリが出動し、10分で現場に到着した。診察では低血圧、発疹、呼吸の異常が見られた。「アナフィラキシーショック」と診断、アドレナリンを筋肉内に注射し、続けて点滴を開始した。数分で状態は改善した。

今回のドクター

會田悦久医師/ロータスクリニックハノイ

① 「アナフィラキシー」って?

アレルギーの誘因となる物質等の侵入により、全身の複数の臓器にアレルギー症状が起こり、生命に危機を与えうる過敏反応のことです。そこに血圧低下や意識障害を伴う場合を「アナフィラキシーショック」といいます。日本では毎年、死亡例が40~70件ほど報告されています。

② 免疫システムのエラーが原因

多くは、血液中に含まれるIgEという免疫グロブリンが関わる免疫システムのエラーにより発生します。最多誘因は食物、刺咬昆虫(ハチ、アリ)の毒、薬剤などですが、IgEが関与しない場合もあり、誘因が特定できないことも多いです。

③ 皮膚や呼吸器など症状は全身に

皮膚症状(全身の発疹、痒みまたは紅潮)、粘膜症状(口唇、舌、口蓋垂の腫脹など)、呼吸器症状(呼吸困難、気道の狭まり、ヒューヒューとした呼吸音、低酸素血症)、循環器症状(血圧低下、意識障害)、消化器症状(腹痛、嘔吐)などがアレルギーによる全身の症状です。

④ 発症してしまったら?

アナフィラキシー発症が疑われたら、早期治療が必要なため、すぐに医療機関を受診しましょう。呼吸器や循環器の症状が強い場合はアドレナリンを注射する必要があります。抗アレルギー薬、吸入薬、ステロイド剤、酸素投与、点滴なども状況に応じて使用します。重症例であれば入院が必要です。

⑤再発予防のために

再発予防には、特定の誘因の回避が有用です。過去にアナフィラキシーを起こした方は、発症時にアドレナリンの注射薬であるエピペンを使うという選択肢も。ベトナムでは処方不可能ですが、日本で処方されたものを持参し、自分自身または保護者が使用できます。

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