ベトナムの今がよくわかる/ベトナムニュース解説12月号

入国ビザ発給手数料を引き下げ

財務省は、外国人に対するビザの発給手数料について定めた通達157/2015/TT-BTC号を公告した。2015年11月23日(月)に発効する。シングルはこれまでの45USDから25USDに、3ヶ月マルチは95USDから50USDに引き下げられる。3~6ヶ月(95USD)、6ヶ月~1年(135USD)は据え置き。一方で、一時滞在証(Temporary Residence Card)は、有効期限1~2年が100USDから145USDに、2~5年が120USDから155USDに引き上げられた。 (『Thanh Nien』2015年10月14日、p.02/『Tuoi Tre』2015年10月14日、p.07)
解説 今回の短期ビザ発給手数料引き下げで、シングルは2012年並みの水準になりました。 観光総局によると、ベトナムを訪れる外国人旅行客はこれまで堅調に増加していましたが、今年は年間累計が前年比マイナスとなる水準で推移しており、料金引き下げは、このてこ入れをはかる狙いがあるようです。 2013年はじめに発給手数料が引き上げられた際には、集客に影響するとして旅行会社やホテルが反発。団体客からの不満が大きく、「近隣国ではビザを免除するなど優遇しているのに対し、ベトナムは逆行し、ツアー料金を押し上げている」といった声が出ていました。 今年5月に開催された観光業界の会議でも、ビザの規定やその処理の複雑さ、手数料の高さが話題になり、発給手数料の引き下げを積極的に働きかけていました。

ベトナム人の外国人配偶者に対するビザ免除、滞在期限6ヶ月に拡大

政府は、在外ベトナム人、在外ベトナム人またはベトナム国民の配偶者・子である外国人に対するビザ免除について定めた政令82/2015/ND-CP号を公告した。2015年11月15日(日)に発効する。これらの対象は、少なくとも1年の有効期限が残るパスポートを持ち、入国禁止対象となっていなければ、最大5年のビザ免除書類の交付が検討される。 (『Thoi Bao Kinh Te Sai Gon』2015年10月8日、p.06)
解説 在外ベトナム人やベトナム人の外国人配偶者に発給されるこのビザ免除書類は、親族訪問や私用で入国するためにしか使用できず、ビジネスや留学、労働を目的とした入国はできません。在外のベトナム外交代表機関、もしくはベトナム国内の出入国管理局で申請でき、パスポート、所定の申請書(写真)、ビザ免除対象であることを証明する書類(外国人配偶者であれば婚姻登録証明書)などを提出します。  新政令では、毎回の入国にあたり最大認められる滞在期間が、これまでの90日から6ヶ月に延長され、正当な理由と在ベトナムの組織や個人の保証があれば、さらに6ヶ月の滞在期間延長が認められます。このように、ビザ免除書類そのものの有効期限と、毎回の入国にあたり認められる滞在期限は異なり、ビザ免除書類の取得イコール最大5年の滞在が可能になるというわけではありません。また新政令発効前に交付されたビザ免除書類を利用して入国していた場合、滞在期限を終えて一時滞在期限を延長しようと思っても、90日を超えない範囲でしか認められません。

「火傷おこすアリ」が全国で猛威、被害は大人から子どもまで

このところ多くの地方で、皮膚に火傷のような症状を引き起こす「アオバアリガタハネカクシ」という虫による被害が増加している。ハノイ皮膚科病院によると、この虫で受診する人が増えており、大人から子どもまでいる。「自分で薬を塗っても治らず、炎症を起こした状態で受診する人もいます。虫の体液が皮膚に触れると、腫れや水ぶくれを起こし皮膚の表面を損傷させ、細菌が侵入しやすくなることも、皮膚炎を起こす原因です」と同院のグエン・ミン・クアン(Nguyen Minh Quang)副院長は説明している。 (『Thanh Nien』2015年10月10日、p.03)
解説 このアオバアリガタハネカクシは体長6mmほどの小さな虫で、頭部がアリに似て黒色、胸部が橙色、鞘翅が藍色、腹部が橙色、末端部が黒色という特徴的な色をしています。日本でも全国に分布しており、水田や川原など湿気のある土壌を好み、特に6~8月に多く発生するそうです。ベトナムでは特に9~10月に増え、近年は住宅地でも多く見られています。 この虫の体液には「ペデリン」という毒が含まれ、潰した時だけでなく、触れただけでも体液が付着し、炎症の後に水ぶくれができ、やけどした時のような痛みを伴います。目に入ると激しい痛みがあり、最悪失明する恐れもあるそうです。特徴的な見た目を覚え、触らない、潰さないほか、体液が付着したらすぐにせっけんで洗い流して、付着範囲を広げないことが重要です。治療方法はステロイド軟こうの塗布などで、10日程度で完治するようですが、跡が残る場合もあるようです。
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