ベトナムスケッチ > ベトナムコラム > メディカルトーク > ...

メディカルトーク
第112回体重減少や手指の震えに注意「バセドウ病」

タグ:
カテゴリ:メディカルトーク
更新:2015/08/21 – 10:00

編集部では、皆様からの情報をお待ちしています。情報掲載をご希望の方は、コチラまでご連絡を!

メディカルトーク症例

45歳女性。動悸、息切れ、暑さに弱い、疲れやすい、下痢等の症状が3ヶ月続き、体重は8kg減少。甲状腺の腫れ、眼球突出、頻脈などの症状も出現した。検査の結果「バセドウ病」と診断。抗甲状腺薬で治療し、1ヶ月後には体重が2kg増加と改善した。

今回のドクター

ブイ・ミン・ドゥック内科医/ヴィンメック国際総合病院

①「バセドウ病」とはどんな病気?
バセドウ病とは、甲状腺ホルモンを過剰に生産する免疫系異常によって引き起こされる自己免疫疾患で、ベトナムでも多く見られます。通常、甲状腺機能は脳下垂体と呼ばれる場所から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)によって調節されますが、バセドウ病では、体内に甲状腺を刺激するTSHレセプター抗体ができてしまい、調節機能が正常に働かず、甲状腺ホルモンの合成が過剰になります。現在、なぜ甲状腺を異常に刺激する抗体が作られてしまうのかはまだ分かっていません。

②手指の震えもバセドウ病かも?
赤あざなどの血管腫をはじめ、甲状腺が全体的に腫れる「びまん性甲状腺腫」などが見られるほか、手指の震え、体重減少もバセドウ病の可能性があります。また、眼球突出が起こる場合も。治療せずに放置すると、悪性眼球突出、心不全、あるいは甲状腺クリーゼへと進行することがあります。

③治療方法は3種類
治療方法は3つあり、病気の程度や患者の年齢によって異なります。1つ目は1年半~2年にわたる抗甲状腺剤の内服で、多くのバセドウ病患者がこの治療をしています。甲状腺腫が小さい場合などに効果的ですが、初期は発熱、咽頭痛、敗血症、肝機能異常、かゆみ、発疹、白血球の顆粒が低下する無顆粒球症など副作用を伴う場合があるため、注意が必要です。2つ目は手術。甲状腺腫が大きい患者に施しますが、こちらも甲状腺機能低下、声帯が麻痺する反回神経麻痺、副甲状腺機能低下症などの副作用が出る場合も。3つ目が放射性ヨウ素治療で、高齢者、体が弱い患者に対して行います。妊娠中や授乳中の女性および直近の妊娠を望む女性には行いません。

内科治療を行う際は、臨床症状を観察していくことが必要です。薬の副作用を早期発見し、重症化や合併症などを防ぐことが大切なのです。

掲示板ご利用の前にベトナムスケッチ掲示板ガイドラインをご参照ください。投稿にはFacebookアカウントが必要です。アカウントはFacebook公式サイトにて無料で取得できます。※編集部への質問や問い合わせに関してはコチラからどうぞ。

関連ベトナム記事

メディカルトーク 意外と多い「O157」による食中毒下痢が続く場合にはきちんとした検査を メディカルトーク 意外と多い「O157」による食中毒下痢が続く場合にはきちんとした検査を

症例 40代女性、2ヶ月以上続く下痢にて受診。これまでも複数の医療機関を受診し、いろいろな抗生剤を投与されていたが、改善…

メディカルトーク 歯に着色してしまう「外来性色素沈着」 ベトナムの水も関係しているかも メディカルトーク 歯に着色してしまう「外来性色素沈着」 ベトナムの水も関係しているかも

症例 10歳の男の子。母親から「上の前歯の表面が茶色く汚れてきたのでクリーニングしてほしい」と希望。「ハノイに来てから汚…

メディカルトーク いつなるかわからない「急性虫垂炎」発症したらすぐに病院で治療を メディカルトーク いつなるかわからない「急性虫垂炎」発症したらすぐに病院で治療を

症例 40代男性。胃の痛みと吐き気の後、発熱があり、右下腹部に集中して痛みが強くなり、歩行困難になったため受診。体温は3…

メディカルトーク 足を使うスポーツ中に起こりやすい「肉離れ」 適切な応急処置をし、ひどい症状の場合は治療を メディカルトーク 足を使うスポーツ中に起こりやすい「肉離れ」 適切な応急処置をし、ひどい症状の場合は治療を

症例 30代男性。サッカーのプレー中に太もも裏に切れたような感覚と痛みが発生。応急処置後の翌日から、3日に1回の治療開始…

メディカルトーク 砂糖入りの飲み物が大好きな人は要注意! 虫歯が広範囲に広がる「ランパントカリエス」 メディカルトーク 砂糖入りの飲み物が大好きな人は要注意! 虫歯が広範囲に広がる「ランパントカリエス」

症例 43歳男性。歯科検診のため来院。歯と歯の間に虫歯が多発していたため、食生活習慣を尋ねたところ、ほぼ毎日、清涼飲料水…

メディカルトーク 便に血が混ざっている「下血」/内視鏡検査をいつ行うかが最重要 メディカルトーク 便に血が混ざっている「下血」
内視鏡検査をいつ行うかが最重要

症例 50代男性。3日間の便秘の後、腹痛と下血のために来院。痛みは左側に偏っており、血液検査では貧血を認めず。大腸カメラ…

メディカルトーク 歯の根元の段差が気になっていませんか?/咬み合わせが原因の「楔(くさび)状欠損」かも メディカルトーク 歯の根元の段差が気になっていませんか?
咬み合わせが原因の「楔(くさび)状欠損」かも

症例 40歳女性。以前から歯茎が痩せてきたと思っていたが、最近は歯茎に穴が開いて痛いとのことで受診。実際は歯茎ではなく、…

過度のアレルギー反応「アナフィラキシー」/母子感染や性行為、輸血による感染リスクも 過度のアレルギー反応「アナフィラキシー」
母子感染や性行為、輸血による感染リスクも

症例 60代女性。山で蜂に刺され、皮膚が赤くなり息が苦しいと通報。ドクターヘリが出動し、10分で現場に到着した。診察では…

メディカルトーク 蚊を媒介とした「ジカウイルス感染症」/母子感染や性行為、輸血による感染リスクも メディカルトーク 蚊を媒介とした「ジカウイルス感染症」
母子感染や性行為、輸血による感染リスクも

症例 37歳女性。南米を旅行して帰国後、発熱、咳、倦怠感があり受診。体温39.2℃、肺雑音なし、眼球結膜の充血を認めた。…

メディカルトーク 「生理痛」、痛み止めだけで我慢していませんか?/つらいときには低用量ピルも有効な手段の1つ メディカルトーク 「生理痛」、痛み止めだけで我慢していませんか?
つらいときには低用量ピルも有効な手段の1つ

症例 24歳女性。妊娠・出産歴はなく、半年前に夫の転勤でベトナムにやってきた。もともと生理痛がひどく、日本ではほぼ毎月バ…

メディカルトーク 肝硬変や肝臓がんを引き起こすことも。/「慢性B型肝炎」は早期発見&予防が大事 メディカルトーク 肝硬変や肝臓がんを引き起こすことも。
「慢性B型肝炎」は早期発見&予防が大事

症例 52歳男性。10年前、ウイルス感染を意味する「HBs抗原陽性」を指摘された。昨年より皮膚が黄色くなり、腹部が張り、…

メディカルトーク おいしい飲食の後の辛~い腹痛、下痢…/暑い時期は特に、「感染性胃腸炎」に気をつけて! メディカルトーク おいしい飲食の後の辛~い腹痛、下痢…
暑い時期は特に、「感染性胃腸炎」に気をつけて!

症例 47歳男性が夕食に海鮮スープと刺身を食べた未明から嘔吐2回、水様便10回と腹痛があり受診。体温37.2℃、下腹部の…

メディカルトーク 歯ぎしりや、食いしばりによる歯の損傷/歯痛、頭痛の元にもなる「咬合性外傷」って? メディカルトーク 歯ぎしりや、食いしばりによる歯の損傷
歯痛、頭痛の元にもなる「咬合性外傷」って?

症例 日本の歯科医院で、定期検診のたびに食いしばりによる歯のすり減りを指摘されていたが放置していた43歳の男性。最近なん…

メディカルトーク 第123 回/都市部でも遭遇する可能性あり ヘビに噛まれた時はどうしたらいいの? メディカルトーク 第123 回
都市部でも遭遇する可能性あり ヘビに噛まれた時はどうしたらいいの?

症例 都市部の日系企業で働くベトナム人女性が、社員寮の自室で夜寝ている際に、ヘビに咬まれる。すぐに病院に搬送されて血清を…

メディカルトーク 第122 回/虫さされやその周辺の皮膚のじくじく /「とびひ」になっていませんか? メディカルトーク 第122 回
虫さされやその周辺の皮膚のじくじく
「とびひ」になっていませんか?

症例 3歳男児。ふくらはぎを虫に刺されたが、特に気にせずそのままにしていた。3日後、虫に刺されたところと膝の裏がじくじく…

周りの人が近くで話してくれない…なんてあなた。/ お口の臭い、大丈夫?/「歯周病」の話 周りの人が近くで話してくれない…なんてあなた。
お口の臭い、大丈夫?
「歯周病」の話

症例 45歳男性。最近口臭がひどい、と家族に言われる。歯茎からの出血、痛みもあり、全体的な歯周病と診断される。歯周外科手…

メディカルトーク 第118 回/感染症からチーム医療まで全面サポート!/ベトナムでのかかりつけ医「総合診療医」 メディカルトーク 第118 回
感染症からチーム医療まで全面サポート!
ベトナムでのかかりつけ医「総合診療医」

症例 鼻水と咳が3日間続いた後、突然38度の発熱と頭痛がでたため、日本では近所の内科開業医に行くところ、ベトナムの総合診…

メディカルトーク/第118 回蚊への徹底対策で防ごう!/世界的に広がるジカ熱 メディカルトーク
第118 回蚊への徹底対策で防ごう!
世界的に広がるジカ熱

症例 40代、男性。タイに観光目的で渡航。ベトナムへ帰国した数日後、頭痛を伴う発熱が出現。その後すぐ、前胸部から腹部にか…

メディカルトーク/第117回「熱傷」(やけど)は応急処置が肝心/冷やし過ぎないよう注意して! メディカルトーク
第117回「熱傷」(やけど)は応急処置が肝心
冷やし過ぎないよう注意して!

症例 3歳男児。家でポットが倒れ、お湯が右腕から手背にかかった。直後に水で冷却し受診。10×5 cmの発赤を2ヶ所、数ミ…

メディカルトーク/第116回忘年会のシーズンといえば/二日酔いですね! メディカルトーク
第116回忘年会のシーズンといえば
二日酔いですね!

症例 45歳、男性。ひどい頭痛と嘔吐のため来院。前日の晩に忘年会があり、かなり多量に飲酒した。嘔吐による脱水症状があった…