【ハノイ通信】自家製ドリンク&スープで夏バテに克つ!

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暑い時期にハノイの家庭で作られてきた、食欲がなくてもスルッといけちゃうドリンクやスープは、滋養強壮にすぐれた伝統の味。今では露店やレストランでも気軽に味わえるものばかりなので、昔ながらの知恵を試してみよう。

ベトナム女性が大好きなタンパク源

豆乳 Sua Dau Nanh 女性の健康にいいと、夏は特に人気だが、男性はあまり飲まない。街角で販売するものは加糖でほんのり甘いものが多く、濃い目のしっかりした味。昔は各家庭で大豆をすりつぶしていたが、大豆を入れて30分ほどで豆乳になる家電も浸透しつつあり、炒りゴマやピーナッツなどを好みで加えることも。

1_IMG_9297露店や商店で買うと1カップ約500mlで8000~1万VND(約40~60円)ほど。砂糖なしのものも売られている

体を中から冷やすとされるベトナム版青汁

ツボクサジュース Nuoc Rau Ma 日本では雑草扱いされることもあるが、インドや中国で古来強力な抗酸化作用があるとされてきたセリ科の薬用植物を、ミキサーでジュースに。苦いので水や砂糖をたくさん投入するのが一般的。それでも野菜の青臭さを凝縮したような匂いには慣れが必要かも。

2_IMG_9318「ザウマー/Rau Ma」としても知られるツボクサは、市場で100g5000VND(約30円)ほど

火にかければもちもちスイーツに変身

タピオカ粉ジュース Nuoc Bot San キャッサバの木の根からとれるデンプン質の粉(Bot San Day)が原料。冷水で溶くと、粉っぽさは残るが、砂糖やライム汁を加えて飲みやくする。鍋に入れてぐつぐつ煮込めば、粘り気がでてタピオカに。味自体はあまりなくあっさりしているので、食欲がない時のエネルギー源や離乳食としても家庭で作られている。

3_IMG_9311粉は100gで1万5000VND(約80円)程度。スーパーなどで手に入る。ジャスミンの香り付きもある

夏場の鉄板スープ

ツルムラサキとカニのスープ Canh Cua Mung Toi ミネラルたっぷりのツルムラサキ(Mung Toi)の葉とカニの組み合わせは、なぜか定番。カニの甲羅以外を全てすりつぶし、抽出したエキスをよくかき混ぜながら温めると、スープの一部が固まってカニのワタのようになる。そのカニの味より、ツルムラサキの青っぽい味がどこか勝る一品。通年で食べられるが、暑い季節によく作られる。

4_IMG_9279「カーファオ/Ca Phao」という小ナスの漬物と一緒に食べられることが多い

酸味のおかげで一緒にご飯が進む!

シジミのスープ Canh Hen タマリンドや青パパイヤ、サウ(Sau)という果物などで酸味を付けたちょっと酸っぱい塩味のスープ。トマト、青菜、パイナップルなどの具に加えて、タウリンや鉄分が豊富なシジミを加える。さっぱりしていて、白いご飯と一緒にさらさらいけるので、夏バテで食欲がない時に最適。シジミの代わりにアサリやハマグリを使うこともある。

5_IMG_9273上記の2つのスープは、市内の各レストランでも味わえる。「クアンコムフォー/Quan Com Pho」(3p.73)では、数人前で3万5000~4万5000VND(約200~250円)

COLUMN : 再び脚光を浴びるツボクサ

体を冷やすフルーツなど、おいしい選択肢がほかにあるこのご時世、年配世代には根強く人気があるツボクサを、知ってはいるが飲んだことがないという若者も多い。ただし、滋養強壮に加えて美肌効果や皮膚の炎症を抑える効果が再び注目されており、ジュース専門の宅配業者が登場するなど、ツボクサ離れはまだまだ先になりそうだ。