ベトナムの今がよくわかる / ベトナムニュース解説 9月号

ホーチミン市、バス車体広告は「ベトナム製品・ベトナム語」のみ

ホーチミン市レー・ホアン・クアン(Le Hoang Quan)人民委員長は、バス車体広告の試験実施について関係部局から報告を聞いた。 委員長は、面積・位置などの規則遵守、バス利用者の視界に影響させないことや、不快感を招く色、交通標識と重なる色を避けるほか、広告は「ベトナム製品のみ」とし、全てベトナム語で表示するよう指示した。 交通運輸局は計画案の細部を修正し、2014年8月末までに市に提出する。 (『Nguoi Lao Dong』2014年8月2日、p.07)
解説 「ラッピングバス」としてお馴染みのバス車体広告は、ベトナムでも各地で活用されていますが、商業都市ホーチミン市では、導入されていません。 実は20年ほど前の1992年には、ホーチミン市はバス車体広告を全国でも先駆けて取り入れていたのですが、2002年に禁止、これが現在まで続いています。禁止の理由は広告活動の是正や交通安全、公序良俗に反する広告の懸念など、さまざま言われているようですが、国の法律で禁止されているわけではなく、各方面から解禁要望が幾度となく出ていました。 ホーチミン市を走るバスは約3000台、運営に市は大きな補助をしており、額も年々増加、2013年は1兆4700億VND(約72億588万2350円)に達しています。この負担軽減に広告が期待されますが、市はまず2014年内にも10路線(156台)で導入、1年の試験展開のうえで本格展開すると慎重です。「ベトナム製品」、「ベトナム語」のみとするほか、広告は車体面積の50%までと決まっており、全体を広告化するフルラッピングはできず、あまり期待はできないという声もあります。

フンイエン省に「東京健康科学大学ベトナム」設立へ

グエン・タン・ズン(Nguyen Tan Dung)首相は、東京健康科学大学ベトナム設立プロジェクトの投資方針に同意した。早稲田医療学園ほか日本の組織、個人がフンイエン(Hung Yen)省で投資する非営利の外資系大学となる。 投資総額4210億VND(約20億6372万5490円)あまり、育成分野は機能回復・看護、理学療法、義肢整形用具。3年間の短大教育では看護、医学検査の育成を行う。ほか、医学技術を応用した科学研究、教育支援サービスも提供する。 (『Thoi Bao Kinh Te Viet Nam』2014年8月1~2日、p.02)
解説 近年ベトナムは、日本をはじめ各国政府、企業と教育分野での協力を強化しています。日本のODAによる「越日大学」設立も決まっており、ハノイのホアラック(Hoa Lac)都市区で、学生数は6000人(うち院生2400人)、科学・技術、医療、看護、農業、日本語、法律・経済、経営学を学ぶ大学となります。2016~2019年の正式開校を予定し、基礎科学、ハイテクを基盤とした優秀な大学モデルとして、2025年までにアジアのトップ大学50校入りを目指します。 両国の学校間では研修プログラムなどの協力が盛んに行われているほか、ベトナムは日本語教育にも力を入れています。大学での日本語学部設置だけでなく、2003~2004学年度からは中学、高校でも一部で外国語として日本語が取り入れられています。

信号の連動で渋滞解消、効果大で本格導入へ

ホーチミン市交通運輸局によると、1区リートゥチョン(Ly Tu Trong)通り、パスター(Pasteur)通りは、ラッシュアワーにはいつも渋滞が発生していたが、試験的に信号を連動させる対策を講じたところ、流れがかなりスムーズになった。 ひとつの通りの信号を連動させるもので、先の信号が、手前の信号より数秒遅れて青に変わり、車両は一定区間を信号停車せず走行できる。 (『Thanh Nien』2014年7月7日、p.07)
解説 初めてベトナムを訪れ、誰もがまず驚くのが、その交通量。特に都市部のラッシュアワーは凄まじく、バス、乗用車、オートバイ、自転車が入り乱れ、数百メートル進むのに数十分かかることも珍しくありません。 歩ける距離でも歩かないベトナム人。街を走る車両の大半はオートバイで、現在の登録台数は3900万台余り、すでに交通運輸省の2020年計画(3600万台)を大きく上回っています。ベトナムの人口が9000万人ですから、ざっと2人に1人はオートバイを持つ計算です。なおオートバイの年間販売は300万台弱です。一方で近年は所得水準の向上やステータスシンボルとして、自動車の利用が急拡大しており、登録台数は現在217万台超(同計画は350万台程度)、年間販売は10万台超となっています。 狭い道路に図体の大きな自動車が増えたことで、さらに深刻化する渋滞。ホーチミン市中心部で導入された今回の対策は効果を見て、今後市内の多数の道路で導入するそうです。
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