ベトナムの今がよくわかる/ベトナムニュース解説 7月号

EVNに原子力展示室がオープン

ベトナム電力グループ(EVN)は2014年6月4日(水)、ハノイ本社で原子力展示室をオープンした。 原子力を理解する機会を提供することを目的に、国際原子力開発社(JINED)との協力で開かれた。 EVNは、原子力発電所の建設を進めるにあたり、最適な建設地や先進技術の選択、人材育成、法整備、資金調達、廃棄物処理のほか、原子力が世間に受け入れられることが、発電所の建設の成功、安全運転に非常に重要だとしている。 (『Thoi Bao Kinh Te Sai Gon Online』2014年6月4日、『Tuoi Tre』6月5日、p.02)
解説 東南アジアで唯一、原子力発電の開発計画を推進しているベトナム。2010年10月にニントゥアン(Ninh Thuan)第2原発の建設パートナーに選ばれた日本は、原子力開発の可能性調査段階から積極的に支援しています。2011年1月には、原子力の平和的利用に関する協力のための法的枠組みを定めた日越原子力協定も署名されました。 協力分野は、事業化可能性調査(F/S)、財政面、安全・先進的な技術の提供、技術移転・人材育成、廃棄物管理、燃料供給など多岐に渡り、人材育成では、東海大学などが日本で実施する研修にEVN職員が参加したり、日立GEニュークリア・エナジー社と東京工業大学が共同で、ベトナム電力大学で出張講座を開いたりしています。 福島第1原発の事故を受け、原発の安全性を危惧する声も上がりましたが、EVNは、原発建設地の住民向けの説明会や日本での見学会、人材確保に向けた高校生向けの原子力セミナー開催など、国民の支持を得るための活動に力を入れています。

「空港開発は正確な予想に基づけ」、 国会で計画見直し求める声

2014年6月、国会では民間航空法の一部条項改正法案が議論され、レ・ヴァン・ホック(Le Van Hoc)議員が、空港開発計画を見直し、架空の需要に基づく建設による社会的浪費を避けるべきだと指摘した。 ロンタン(Long Thanh)空港建設には莫大な資金がかかるが、すでにタンソンニャット(Tan Son Nhat)空港と、カントー(Can Tho)、カムラン(Cam Ranh)、フーコック(Phu Quoc)、ダラット(Da Lat)という4つの衛星空港がある。 「この4空港は、拡張や能力増強せずとも2025年まで年間2000万人超に対応できる」というホック氏は、2020~2030年および2050年までの利用者、貨物をより正確に予想すべきだと指摘した。 (『Phap Luat』2014年6月5日、p.03)
解説 ホーチミン市中心部から約40km離れたドンナイ(Dong Nai)省ロンタン県に建設予定のロンタン国際空港。2011年に首相承認された計画によると、面積5000ha、3期に分け開発を進め、第1期(2015~2020年)投資総額67億US$超、年間旅客取扱能力は2500万人です。 新空港建設はタンソンニャット国際空港のパンクに対応するもので、2016年にも同空港の年間旅客取扱数は最大能力の2500万人に達する見通しです。 ただ、膨大な投資額が国の実状に合わない、現空港の改修・拡張で今後も需要に応えられるなどの理由から、新設案には見直しの声も上がっています。 交通運輸大臣は、投資額を最小限に抑えるよう投資主のベトナム空港総公社に計画見直しを要求。航空局長も、第1期旅客数を1700万人、滑走路を2本から1本に減らすなどし、タンソンニャット空港を活用すべきとしています。

ランボルギーニ、6月にハノイで ショールームオープン

自動車メーカー・ランボルギーニは、2014年6月にハノイでショールームをオープン、シーティーウェアネスベトナム(CT-Wearnes Vietnam)社がベトナムでの流通・保証を行う。 ベトナムの高級車市場には近年、レクサス、アウディ、ポルシェ、ロールスロイス、ベントレーなど有名ブランドが続々参入。高級車の購買力は未成熟だが、上流層の関心は高く、世界の自動車メーカーを動かしている。 (『Thoi Bao Kinh Te Sai Gon Online』2014年5月29日)
解説 2013年の日本の新車販売は約538万台、一方ベトナムは約11万台でまだ非常に小さな市場です。1人あたりGDPは約1900US$で、自動車販売が大きく伸びるとされる3000US$の水準にも達しませんが、街中で数十万US$するような高級車を見かけることは珍しくありません。 ベトナムでは自動車は「贅沢品」扱い。一般的な10%の付加価値税(VAT)のほか、45~60%の特別消費税が課され、輸入車では50%の輸入税もかかり、登記料などその他諸費用を加えると価格は他国の2~3倍。世界で最も自動車が高い国のひとつに入るといわれています。それでも世界的にレアな車種も多数輸入されるなど、近年の不景気、自動車販売不振の中でも高級車は堅調に伸びており、ここ数年のメーカー本格参入を後押ししているようです。
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