メディカルトーク/第97回環境変化で引き起る/血管運動性鼻炎

メディカルトーク症例

27歳の女性越僑がベトナムに帰国し、環境変化が原因で、鼻づまりで眠れなかくなり、来院。血管運動性鼻炎と診断され、鼻噴霧薬で治療を。同時に規制正しい生活をアドバイスした。

今回のドクター

グエン・チュン・ホン(Nguyen Truong Khuong)医師/FV Sai Gon Clinic
①血管運動性鼻炎とは? 血管運動性鼻炎とは、鼻粘膜内における交感神経系の過運動による鼻炎のことです。はっきりした原因は不明ですが、急激な温度と湿度の変化、汚染などによる環境変化。ホルモンバランスの崩れ。高血圧治療薬など薬の副作用。精神的なストレスなどで、鼻の自律神経の働きが異常を引き起こすと考えられています。 ②くしゃみ、鼻水が発現 アレルギー性鼻炎の症状とほぼ同じで、朝目が覚めたら、くしゃみや鼻水が出たり、左右交代性の鼻づまりが起こります。特に鼻腔(びこう)のところをよく見ると、鼻粘膜の色が蒼白になっています。 ③予防&治療薬で症状を抑える 症状を抑える対症療法が主体になります。ストレスをためない、睡眠をたっぷりとる、アルコールを飲み過ぎない、たばこを吸わないようにし、規則正しい生活とバランスのとれた食事を心掛けましょう。加えて、適度な運動で体力を付け、症状を悪化させない努力が大切です。   薬物治療としては、抗コリン作用のある抗ヒスタミン薬や局所抗コリン薬を用います。他にも、鼻噴霧用ステロイド薬や生理食塩水で鼻を洗うと症状が緩和します。 ④重症の場合、手術治療を実施 症状の重さによって、医師から手術治療方法をすすめることがあります。手術の場合、鼻甲介を焼くレーザー手術や下鼻甲介または中鼻甲介の一部を切り取る方法や、ヴィディウス神経切除術も実施しています。ヴィディウス神経切除術とは、ヴィディウス神経(翼突管神経)を翼突管(ヴィディウス管)が出たところで切断します。他にも、鼻隔膜の歪みによって、鼻腔に空気が渦を巻くので、鼻隔膜整形手術が施行されます。
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