2014.03.05

ベトナムグルメを食べ尽くす/海の幸 山の幸 ハノイの贅沢

feature うっそうと木が生い茂る山並みと、長い海岸線を併せ持つベトナム。神話の時代から山海の美味・珍味を求めてきたこの国の人びとは、今なお止むることなく、海へ山へと食を追う。まさにベトナムこそ、「グルメ大国」の名にふさわしい。

撮影/大池直人&ベトナムスケッチ編集部

旧正月に食べる「バインチュン/Banh Chung」の起源をめぐるストーリーは、ベトナム人なら誰もが知る有名神話だ。
バインチュンの起源 ある日、6代目フン(Hung)王は、「王に最もふさわしい料理を持ってきた者を後継者にする」と3人の王子に告げる。 後継者選びの日、長男は海から集めたありとあらゆる魚介類で贅を極めた料理を作り、次男は山で手に入れた貴重な動物や木の実などを使った豪華料理を持参した。そこへやって来た末息子が持ってきたのは、もち米で作った四角いちまき「バインチュン」と丸い餅「バインザイ/Banh Day」だけ。しかし、「私たちをはぐくんでくれたのは米です。四角は大地を、丸は天を表します」という彼の説明で、王位は三男に譲られることとなった。
あなたがもし食いしん坊なら、この神話で気になるのはバインチュンではなく、長男と次男が持ってきたという料理ではないだろうか。いったいどれほどの贅沢料理だったのか。ハノイには今も昔も、数えきれないほどの海と山の幸がある。王子たちが用意したという料理に思いをはせながら、ぜひ味わってみよう。
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