メディカルトーク/第94回あなたの /赤ちゃんは大丈夫?

メディカルトーク症例

正常妊娠、分娩で誕生した4ヶ月乳児。乳児が右ばかり向いて寝るのが気になった母親が、フィジオセラピーを受診。首の右側の筋肉に問題があり、頸部(首)が左方向に向きにくくなっていることによる運動制限が判明。小児科専門医により先天性筋性斜頸と診断。

今回のアドバイザー

タリア・シュハミ女史・フィジオセラピスト/ファミリーメディカルプラクティスホーチミン
①斜頸とは? 「斜頸」(しゃけい)は、別名「斜頭」ともいい、頭や首の位置の異常や左右非対称の症状を指します。その原因は様々です。 ②フラッドヘッド症候群になることも 先天性の場合、原因ははっきりしていません。出生時のトラウマ(バーストラウマ/出産時外傷)や、母親の子宮内での胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとっきん/鎖骨と頭がい骨の耳裏にある乳様突起を繋ぐ、首の左右側面にある筋肉)の硬化が原因とも考えられています。   首の前側の左右にある筋肉の一方が短かかったり緊張したりして起きるため、首を回す、傾けるなど運動が制限され、頭が片側に傾いてしまいます。後天性の場合、ベビーシートやブランコ、ベビーカー、ベビーバウンサー、プレイマットのないところで長時間、仰向けに寝ていると、症状が出てくることが。   放置すると斜頸やいわゆる絶壁頭のフラットヘッド症候群の可能性が高くなるので、小児科専門医は頭や首の位置を正すことをすすめています。これらは幼児期に予防できる症状です。 ③バランスよく筋肉をつけよう 出来るだけ早期にフィジオセラピー(理学療法)をおすすめしています。ストレッチなどで緊張をほぐし、左右の筋肉が均等に動かせるように、筋肉のバランスを鍛えます。赤ちゃんの場合、歩けるようになる時期まで治療を行います。 ④顔の形が左右非対称に 斜頚をそのままにしておくと将来、顔の形が左右非対称となることもあります。生後18ヶ月までに正すことが必要で、早ければ早いほうが良い結果につながります。小児科医は、授乳時、おしめ交換時、睡眠時など、日中は2~3時間ごとに赤ちゃんの頭の位置を正すことをすすめています。
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