ベトナム人経営者の 気質
第20回
進出の鍵となるのは
長期的パートナーシップ
カテゴリ:ベトナム人経営者の気質
更新:2014/02/12 – 10:00
ビジネス環境も慣習も、日本と同じわけにはいきません。ベトナム人経営者の考え方や視点を毎月ご紹介。
全国平均と都市部でのGDPの差
業務委託をベトナム国内のローカル企業に求める場合、必ず忘れずにいて欲しい事があります。それは、2009年から右肩上がりに日系企業の進出件数は伸び続け、一人当たりのGDPは全国平均ではまだ1500US$程度ですが、首都圏の一人当たりGDPは3000US$を超えつつある事です。
その結果として首都圏ではモータライゼーションの兆しが観え、国民の生活も眼に見えて豊かに成って来ております。つまり安易なコストダウン思考だけでは、ベトナムに於いて長期的なパートナーシップを形成出来ない可能性を含んでいる事を意味しています。
進出方法は新規設立に限らない
例えば現在、ベトナム進出の方法論として、一から現地法人を立ち上げる設立方法だけがクローズアップされております。ローカル企業をM&A(合併と買収)して現地に進出するという方法論も有る事を、気付いておられない方も多いと感じる時が有ります。
委託加工から始めて、事業を拡大するタイミングで、委託先ローカル企業をM&Aする。この形態であれば、初期投資の段階で時間と人材育成に労力を費やす必要は有りません。パートナーと成るベトナム人経営者の性格や現地事情を、業務委託を進めて行く中で知る事も出来ます。
現地法人として海外進出に慎重さを求める中小企業には最終判断に時間的余裕を持たせる事も出来ます。
ベトナムでは業務を委託する段階で、将来的にビジネスパートナーと成れるローカル企業も徐々に育って来ております。拡大思考を持った経営者に投資を持ちかけて、NOというベトナム人経営者も少なく有りません。
企業規模や事業レベルがマッチするローカル企業を探すのに同じ時間を掛けるのであれば、将来的にベトナム進出を見越したパートナー企業を探すのも、1つの進出形態として検討出来るのではないかと思います。
河原 光伯 かわはら みつのり
15年間会社員を務めた後、中東・ヨルダンにてJICA事業に従事。AGSホーチミン事務所で営業・労務・ビジネスマッチング担当。
http://ags-vn.com
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