#02 Duong Phố Hàng Quạt/ハンクアット通り

ベトナム全国の通りには、歴史上の出来事や重要人物の名前などがつけられている。よく耳にする通り名の意味や由来について紹介 HangQuat001 通り名が教えてくれる 代々続く職人技の歴史 vn-history-logoハノイ旧市街を東西に走るハンクアット通り。かつては、扇職人や扇売りの家々が並ぶハンクアット(「クアット/Quat」は扇の意味)通りと、楽器を作って売るハンダン(「ダン/Dan」は弦楽器の意味)通りに分かれていたが、通り名見直しの際にハンクアット通りに統一された。今でも、元のハンダン通りにあたる西半分には楽器店が多い。 この通りが、通り名通りに扇を作り、商っていたのは昔のことで、木彫技術を活かした仏具を作るようになって久しい。現在30歳代の仏具職人によると、祖父の代にはすでに仏具しか作っていなかったという。 HangQuat003_1仏具制作のかたわら、一部の店が月餅用木型の製作を始めた。1990年代に入り、外国人観光客が多くなると、今度はオリジナルのイラスト判子を作り出した。判子作りのきっかけは定かではない。しかし、初期の判子職人たちがみな、月餅用木型を作っていたことを考えると、インテリアにも使える木型を買い求める外国人のリクエストで、木型より小さな判子を作るようになったのかもしれない。持ち込んだイラスト通りに彫ってくれる判子は、今ではハノイ名物の土産物となっている。 扇こそもう売られていないが、扇を作る技術は生き続けているハンクアット通り。職人技の変遷を知ってから歩けば、ちょっと違って見える気がする。
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