2013.12.04

No.036 ショロンで食す/Sono Ken

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中華街、そこには何か変わった食べ物があり、それはとても美味しいものだ。 生まれて初めて中華街を訪れたのは20年以上も前のこと。冬の神戸だった。華人の料理は私の期待を裏切らなかったが、それ以上の驚きが中華街にあった。ベトナム料理との出会いだ。 街には小さなベトナム料理屋があった。初めて接するベトナム料理である。どことなく中華風な装いで小皿に盛られた蒸し春巻きを食べた。料理の姿形は飲茶に似ているが、一緒に供された薄黄色の透き通ったタレは初めて知る味だった。風変わりで美味しいと思った。これがヌクマムに少量の水、砂糖、ニンニク、唐辛子を混ぜたヌックチャムと分かったのは、後年ベトナム を訪れるようになってからだ 。 サイゴンに滞在している間は、 中華街は美味しいという刷り込みのもとショロンに出向き、美味しいお店や屋台を探す。お勧めは夕方から夜にかけて出る屋台。サイゴンの味とは少し違う麺や炒め物を楽しみたい。

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写真・文/園 健 写真家。1994年に初めてべトナムを訪れ、以後ライフワークとしてインドシナの写真を撮影する。 ウエブサイト:http://sonoken.net
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