ベトナム人経営者の気質
第15回 意識改革と構造構築で 変動が激しい市場で戦う
カテゴリ:ベトナム人経営者の気質
更新:2013/09/09 – 10:00
ビジネス環境も慣習も、日本と同じわけにはいきません。ベトナム人経営者の考え方や視点を毎月ご紹介。
起業する若手ベトナム人が増加
ベトナムの平均年齢が27歳ぐらいというのは既にご存知の通りです。労働人口の多さがこの国へ進出する魅力の1つとなっています。これに呼応するかのように最近、20代後半~30代に掛けての若いベトナム人起業家がベトナム市場の中で生まれ始めております。
彼等はこれまでの経営者の様に英語が話せない経営者ではなく、しっかりとした語学力と若者特有のアンテナの高さや情報収集能力を持ち、保守的な経営方針ではなく、臨機応変に即時順応しております。
日本人のビジネススピードが鈍足で有ることは、ベトナムに限った事ではなく、全世界的に見て言えることですが、こうした「行動すること」に重点を置いてビジネスを推進しようとする経営者と、未だに日本式である「決定を先延ばしにする様な構造」との間には、ますます距離感を感じてしまいます。
臨機応変に対応できるとはいえ…
近年ベトナム市場を狙った進出相談が増加してきております。お話を伺ってみると、日本品質の物やサービスをこの国でも展開したいという、願望にも似た相談が多く寄せられています。
メイド・イン・ジャパンが世界有数であることは今更言うまでも有りませんが、「鎖国型思考」が大部分を占める日本の企業。ただでさえ意思決定の早いベトナムに於いて、よりスピード感や行動力を持った新たな世代が出現している環境に、「日本品質」を持ち込むというだけで、国民性の似た部分が有るとはいえ、文化背景の違うこの国のトレンドやそうした市場のスピード感に対応出来るのか、疑問を感じてしまうこともしばしばです。
輸出加工型の企業を設立するのであれば、意思決定は本社側に任せるという形でもまだ大丈夫だとは思います。しかし、変動する現地市場の中でビジネスを成功させるには、日系企業側もまた「意識」の改革と新たな「構造」の構築が必要です。
河原 光伯 かわはら みつのり
15年間会社員を務めた後、中東・ヨルダンにてJICA事業に従事。AGSホーチミン事務所で営業・労務・ビジネスマッチング担当。
Website:http://ags-vn.com
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