29屋的越南恋愛コラム/高嶺の花を摘もうと挑む、もののふたちへ/第22回

「大丈夫、まさにかくのごとくなるべき也」

もしも、あなたが今、無理目の恋をしている日本男児ならば、まずその勇気を祝福し、反面、その悲壮なガッツに哀悼の念を表さざるを得ない。 その昔、漢の高祖劉邦が歳若く下賎の身であった頃、秦の始皇帝の行列を見て「ああ、男たるもの、こうでなきゃいかんよな~」と、野望に燃えたが如く。あるいは、パパに将来の夢を聞かれたのび太が「大人になったらガキ大将になる!」と答え、そのあまりの情けなさにパパが号泣したが如く。 女と違って、男という生き物には、魂のどこかに「2番じゃダメなんです! スイッチ」が備わっており、それは仕事でも、趣味でも、ふとしたはずみで起動してしまう厄介なものである。 もちろん、恋愛においても、それは例外ではなく、職場や仲間内の「マドンナ」、「アイドル」的な1番人気の美女・かわいこちゃん(←死語)に、己の身の程を考えずにウッカリ惚れてしまう確率は、女子が仲間内のイケメンを狙うそれよりも、はるかに大きいように思う。 割り切った遊びならばいざしらず、とかく、高嶺の花への恋慕は、純粋一途になりやすく、負ける確率が高い上に心に負うダメージもデカい、ハイリスク&ハイリターンな大勝負。とはいえ、功を遂げられる「豪傑」は、たったの1人だけ。はたして、身を捨ててまで浮かぶ瀬はあるのか? ハードモード突入? それでも、尚、ガッツあるのみ! 一昔前であれば、日本人男子=金まわりのいい外国人であるというだけで、ベトナム人女性にはモテやすかったベトナム生活。大物狙いの成功率も高く、ボク自身のことを棚に上げて言わせてもらうと、いたるところで「美女と野獣」や「豚に真珠」なカップルが誕生していたものだった。 ところが昨今、ベトナム在住の日本人男性の勝率は、ベトナム人相手であろうが、日本人相手であろうが、昔と比べて相当厳しくなっているらしい。ベトナムの経済成長のおかげで、経済力の優位性が前ほどではなくなり、日本人男子の絶対数も増えたせいで「大将首」への競争率も急騰してしまったからだ。 にもかかわらず、南国暮らしの開放感から「青春パワーがよみがえった」というだけでなく、「日本よりもヒマだから、恋愛ぐらいしか我を忘れてのめりこめる『娯楽』がない」という事情も手伝い、数多のツワモノどもが今夜も難敵に挑み、散っていく。 確かに戦況は厳しいかもしれない。しかし、人の心は鎖で縛ることはできないし、何よりも、買わない宝くじは当たらない。たとえ恋が破れようとも、一生懸命ふられたのであれば、己の力量もわかるし、きっと何かをつかめるはず。君よ、苦しみの中から立ち上がれ!
29屋(にくや) 食材&弁当屋の店主。本業の傍ら、かつては「29屋に訊け!」など本誌人気コラムを担当。本コーナーでは、ベトナム恋愛模様をちょっぴり辛口、ときどき優しく(!?)、生あたたかい目で考察する。
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