29屋的越南恋愛コラム/「嗚呼、男の勘違い!/彼女の前でカッコツケたつもりが…」/第21回

腹立たしいことの多い べトナム生活ではありますが…

国家の最低限の責務が「国民の安全と財産を保障する」ことであるとするならば、男が女に対して負うべき責務とは何か? つきつめれば「自分の女は、たとえ命を懸けてでも危険から守る」という一事に他ならないのではないだろうか? 女性の社会進出が盛んな(つまり女性の稼ぎや社会的立場が必ずしも男性よりも下なわけではない)21世紀においてもなお、男だけができる唯一最大の仕事とは、いざというときに愛するパートナーの盾となり、傘となり、外套となることであると、男の端くれであるボクは強く信じてやまない。 比較的治安のいいベトナム生活だが、命にかかわるレベルの暴力沙汰に巻き込まれる危険性は、あまりない代わりに、デートの最中、「非常に不愉快な思い」をさせられることは少なくない。 ひったくり、ぼったくり、しつこくつきまとってくるバイタク、レストランやブティックで気が利かない店員などなど、彼女を泣かせたり不機嫌にさせたりするには十分な要因がウヨウヨしている。そこでどういう対応を取るかによって、貴男の頼り甲斐が問われることになる。一見単純そうで結構、重大複雑な局面なのだ。 タフでなければ生きていけない。 やさしくなければ… ハードボイルド小説の草分け、レイモンド・チャンドラーの『プレイバック』という作品において、主人公の探偵フィリップ・マーロウが、ある女に聞かれる。「あなたはそんなにタフなのに、どうして優しいの?」。それに対して彼が答えた、この有名な台詞。「タフでなければ生きていけない。やさしくなければ生きていく資格がない」。 くは~、かっちょええ。あらゆる女性が「お姫様願望」を潜在的に持っているのだとしたら、あらゆる男には「騎士(ナイト)願望」が標準装備されているといっても過言ではない。 しかし、物事には、なんにでも節度と限度と言うものが求められるもの。女性、特にベトナム人は声を荒げたり、暴力に訴える男を蛇蝎(だかつ)の如く忌み嫌うし、決して「マッチョで男らしい! ステキ!」とは思ってくれないらしい。かといって、ヘラヘラにこにこして「やられっ放し」なのは威厳がないにも程がある。さじ加減が難しいところなのだが、世の中には「抗議しても無駄な相手」というのは、確実に存在する。いちいち真剣に相手をするほうがバカを見る事もあるのだ。 結局のところ、普段心身を鍛えておいて「滲み出るガッツ」で雑魚キャラを圧倒するか、移動手段やサービスに「コスト」を掛けて快適さを確保するしかない。それでも「地雷」に当たっちゃったときには、三十六計、逃げるに如かず。速やかに彼女の手を引いて、にこやか&厳かにその場を立ち去り、別の場所で口直しするべし!
29屋(にくや) 食材&弁当屋の店主。本業の傍ら、かつては「29屋に訊け!」など本誌人気コラムを担当。本コーナーでは、ベトナム恋愛模様をちょっぴり辛口、ときどき優しく(!?)、生あたたかい目で考察する。
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