ベトナム人経営者の気質
第11回 利益には敏感、即断・即決でも、どんぶり勘定?
カテゴリ:ベトナム人経営者の気質
更新:2013/05/06 – 10:00
ビジネス環境も慣習も、日本と同じわけにはいきません。ベトナム人経営者の考え方や視点を毎月ご紹介。
ベトナム人経営者の見る日系企業
以前、ベトナム人経営者の方に、「日系企業の現地代表者をどう思いますか」という質問をしたことが有ります。その時に返って来た回答は、次のようなものでした。
「ここに居る社長と呼ばれる方々の多くが、日本の子会社の社長なので、最終的な決定権を持っていません。新規事業を社内で立ち上げるには、本社サイドの決定を待つ必要があるので、スピード感はどうしても鈍ってしまいます。
逆に定例化された業務については、社内ルーティーン化や、マニュアル化させることでコストダウンを計る傾向が強く有るので、業務の効率化が進み、改善を繰り返してベトナム企業とは比べ物に成らない成果を挙げている企業も有ります。
ベトナム企業と違って、問題意識という部分では、日本人は常に業務効率の向上という部分に目を向けているのだと感じています」。
利益があれば詳細は気にしない
ベトナム人は日本のビジネスマンを「真面目」、「厳しい」等と表現することが多いです。これは日本人が実は現状に常に満足しない貪欲な民族で、些細な事でも「費用対効果」や「効率」を求めてしまう、物事を数値で捕らえようとする癖を身に付けているからではないでしょうか。
頭に浮かんだ、利益を生み出しそうなことには即断・即決のベトナム人は基本的に丼勘定で、細かい部分には余り気を廻さず、最終的な部分で利益が出ていれば改善の意識は低く、ロスを抱えたまま前に進み続けます。
こういった考え方は客観的に見ていると推進力は有るのですが、問題抽出力には欠け、労働環境にも影響を及ぼしています。
ローカル工場の雑然とした景色と、日系企業の整然とした光景を見て頂ければ、両国間の視点の違いにも気付いて頂けるのではないか、と感じる次第です。
河原 光伯 かわはら みつのり
15 年間会社員を務めた後、中東・ヨルダンにてJICA 事業に従事。AGS ホーチミン事務所で営業・労務・ビジネスマッチング担当。
http://ags-vn.com
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