ベトナムの日本人/上田修久さん/日本ダーカウ協会会長

ようやく見つけた熱くなれるもの。 ベトナムの「ダーカウ」を極め、日本で1番上手い奴になりたい

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ベトナムの日本人「1度きりの人生、ちょっとくらい脱線しちゃうのもありかなって思ったんです」。 そう語るのは、一見どこにでもいる今どきの若者といった風貌の上田修久さん。彼の日本でのニックネームは「ダーカウ」だ。 「ダーカウ/ Da Cau」とは、重りのついた羽を足で蹴り合う、ベトナムの人に広く親しまれているスポーツ。広場などで見かけるこの羽蹴りが、人生を思わぬ方向に「脱線」させることに。 「就職活動の時期に、学生生活を振り返って本当にこれでよかったのかな、と漠然とした不安がありました」。 現状を打破したいと、学生イベントへの参加を思い立ち、そこでの出会いが自分を変えるきっかけとなった。 「一浪して大学入学、そして一留。さらに、これから世界一周に行く人がいて。それをすごく生き生きと語るんですよ。こんな生き方があるんだ、ってシビれましたね」。 その後、単身ベトナムへ。ホーチミン市に滞在した際に見かけた「ダーカウ」に興味を持ち、羽を購入して帰国した。 「羽ひとつですべてが成り立ち、輪になって楽しむ独特のスタイルが人と人とを繋げられる」と、その面白さにみるみるはまっていった。また、自ら「日本ダーカウ協会」を設立し、イベントを開催するなど積極的に行動を起こす中で、長年抱えていた「やりたいことが分からない」というモヤモヤは消えた。 「ようやく『これだ!』と思えるものが見つかって、嬉しかった。これはもう、とことん極めるしかないと思いました」。 情報収集と人脈作りのためのベトナム縦断を経て、今回が3度目の来越。ダーカウを「極める」ために約半年間、滞在する予定だ。練習場所には、汗を滲ませウォーミングアップに励む上田さんの姿が。不器用に夢を語るあどけない表情とは打って変わり、別人のように顔が引き締まって見える。 本格的な練習を始めて約1ヶ月。 「試合のときは、基本的に足の甲のみでコントロールするので、足首の柔軟さが重要です。1つ1つの動作を基礎から叩き込んでもらうことで、技術が明らかに上がっていくのを感じています」。 指導を務めるベトナム人コーチも、「来た頃とは見違えるほど上達している」と太鼓判を押すが、「現在の満足度は80%」。 真剣な日々の積み重ねが自信に繋がっていく。とはいえ、就職を蹴って選んだ道に迷いはないのか。「ダーカウとの出会いは、確実に僕の人生を変えちゃってます。もう引き返せないし、後ろを振り返る隙もないっすね!」と笑い飛ばす。 「日本で1番ダーカウが上手い奴になって初めて、ベトナムの文化を胸を張って発信できると思っています」。   24歳の荒削りな夢のスタート地点は、ここベトナム。ダーカウ修行が実を結び、大きく花開いていくに違いない。
上田修久 うえだまさひこ 1989年、宮城県生まれ。2011年にバックパッカーとして初来越。「日本ダーカウ協会」を設立、ベトナムフェスティバルなどのイベントに参加するかたわら、代々木公園でイベントを開催。2013年1月に3度目の来越。現在は、専属コーチを付けてトレーニングに励む日々を送っている。 http://facebook.com/umasahiko
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