メディカルトーク/第80回 心臓がドキドキ! 「頻脈」に注意

メディカルトーク症例

日本人の50代男性在住者が来院。長らく疲労感が続いていたが、会食中に始まった動悸が帰宅後も収まる気配がなく、夜間外来を受診した。24時間心電図検査を行い、内服治療を開始。

今回のドクター

富浜有香家庭医/インターナショナルSOSホーチミンクリニック
①頻脈とは? 成人の場合、通常毎分50~70回の心拍数が、100回以上に増加している状態を頻脈といい、心房で起こる上室性頻脈と心室で起こる心室性頻脈があります。 最も多い症状は、動悸として感じるもの。刺激伝導系の異常による頻脈性不整脈は、動悸のほかに失神や痙攣など深刻な症状が起こる場合もあります。 ②原因は生活習慣から疾患まで 運動や緊張などに対する、からだの正常な反応の場合もありますが、何らかの病気の症状である可能性も潜んでいます。 原因としては、アルコールやカフェイン飲料、煙草の過剰摂取や心理的ストレスのほか、心拍のリズムを心臓全体の心筋に伝える刺激伝導系の異常や、甲状腺、心臓疾患などが挙げられます。 ③まずは心電図でチェック! 頻脈の検査では、心電図によって頻脈が上室性か心室性かをチェックします。心電図には、24時間連続で記録する「ホルター心電図」などもあります。症状によっては、心臓や血液の検査も実施します。 ④症状により治療法は様々 軽度の上室性の場合は、強くいきむ、冷たい水に顔をつけるなどして心拍数を抑えます。発作が頻繁に起こる場合は、異常な電気信号の発生源を焼き切る「カテーテルアブレーション」が有効な治療法です。 心室性の場合は、薬剤の投与やアブレーション、埋め込み型除細動器(ICD)を使用した治療を行います。 ⑤頻脈の状況を医師に説明 脈の速さや動悸が起こるタイミングなど、頻脈が起こる状況を詳しく医師に説明し、原因を突き止めることが重要です。頻脈によって意識消失や痙攣が起こった場合は、直ちに受診して下さい。
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