メディカルトーク/第79回 本当にいます寄生虫

メディカルトーク症例

50 代男性。ベトナムに5年以上滞在。半年ほど前から繰り返す腹部の違和感(軽い痛み) で来院。日本でも受診したが、特に異常は指摘されなかった。当院の血液検査で回虫が陽性と判明。虫下しを飲んだところ症状がなくなった。

今回のドクター

寺川偉温(いおん) 内科・消化器科専門医/ファミリーメディカルプラクティス・ホーチミン
①寄生虫が体内にいると、どうなる? 寄生虫はその名のとおり、人間や動物に寄生して暮らせる生き物です。 一口に「寄生虫」といっても実にさまざまな種類があります。いわゆるムシといわれる細長いミミズのようなものから、アメーバ赤痢を起こすアメーバのように、肉眼では見えないものまであるのです。 とくに多いのは回虫で、ベトナムでは人口の7~8割が感染しているとも言われています。 症状は、寄生虫の種類によって様々です。症状が出ない人もいますが、なんとなく気分が悪い、だるい、お腹が張ったり、痛んだり、少し下痢気味だったりと、軽い症状であることがほとんどです。時に貧血、体重減少、強い腹痛や皮疹、 蕁麻疹(じんましん) が出たりします。 ②感染源と、ベトナムに多い寄生虫 多くの場合は食べ物などからの感染です。ベトナムはまだまだ衛生環境が悪く、手洗いなどの習慣も普及していません。 また野菜などの栽培に人糞などを肥料として使用する場合があるため、寄生虫が食べ物に混入していることがあります。他に皮膚から侵入してくる寄生虫などもいます。 ③予防が一番、虫下しは定期的に 予防法は、とにかく危ないものを食べないことです。自分で調理する時は、食べ物をしっかり洗うこと(特に生野菜)、火を通すこと、皮をむける食べ物は皮をむくことです。 皮膚から感染する寄生虫については、はだしで歩き回らない、水溜りなどに踏み込まないことが予防になります。 また症状はなくても、1年に1回は虫下しを飲むことをおすすめします(ベトナム人は6ヶ月に1回と言っています)。もしすっきりしないようであれば、医療機関で便検査、血液検査を受けましょう。
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