ベトナム人経営者の気質
第4回 経営者の本気度を測る②
~経営者が乗り出す時~
カテゴリ:ベトナム人経営者の気質
更新:2012/10/22 – 09:41
ビジネス環境も慣習も、日本と同じわけにはいきません。ベトナム人経営者の考え方や視点を毎月ご紹介。
別の視察先までお膳立て
「本気度」が高いと感じるケースとして、前回「経営者自ら乗り出して来る場合」というお話を致しましたが、実際に次の様なケースが有りました。
中部のダナンで工場を3つ経営するベトナム人経営者の方は、日本企業がフエでも工場視察を行うと知ると、わざわざダナンから自分の乗用車で日本企業側の社長を迎えに来られ、フエでも更に自分の協力工場を紹介して頂けました。ダナンでは自分の懇意にしている4つ星ホテルを格安で手配し、まさに歓待という雰囲気で日本企業側を迎えられたのです。
さすがにここまでして頂ければ「本気度」が高いと日本企業側も考えるでしょう。歓待を受ける日本企業としても、予期せぬ待遇で気分が悪いはずは有りません。結果、経営者の作戦も功を奏し、各工場の技術力も他の視察工場と遜色がなかった為、現在このベトナム企業は日本側との正式な提携交渉に入っておられます。
予定外でも即断の対応
事前に調査した面談候補先のローカル企業の全てが、アポイントを快諾する訳ではありません。ですが、面談を申し入れた時点でアポイントが不確かなローカル企業もある一方で、歓待付きのようにベトナム企業が日本企業側に既に高い期待値を持っている事が有ります。ビジネスマッチングでは、この様なケースは良く起こります。
たとえ日本企業側の面談目的が市場調査のみでも、そこから日本企業側との繋がりを持とうとするローカル企業も多く有ります。「本気度」が高ければ高いほど社長自らが乗りだし、ミーティングの最後には夕食に招待する等の申し出が起こります。
このように予定に無い突然の申し出はいかにも直線的で、即断のベトナム人経営者という雰囲気を感じます。ローカル企業と本気で提携を図るのであれば、面談前のアポイント取得交渉から観察していくことも、重要な事項の1つとなります。
河原 光伯 かわはら みつのり
15年間会社員を務めた後、中東・ヨルダンにてJICA事業に従事。AGSホーチミン事務所で営業・ビジネスマッチング担当。
http://ags-vn.com
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