オトナの社会科 Vol.1
ハノイゴミ捨て基礎知識
~ポイ捨て天国ハノイに分別時代が到来!~
カテゴリ:今月のハイライト
更新:2012/09/27 – 11:56
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ハノイの環境パトロールを行うゴミレンジャーのお三方。
ハノイ在住者へ伝えたいことがあるとのことで、緊急出演
ポイ捨てから、環境を意識したゴミ分別へ。そんな試みがハノイで始まっている。すでに市内の4地区※では、「URENCO※1/ハノイ都市環境公社」指導の下でゴミの分別が実施されており、将来的にはハノイ全域へ広げていく予定だ。分別対象地区以外にお住まいの諸君、君にもできることが必ずある。さあ、以下を要チェックだ!
※分別対象地区:バーディン(Ba Dinh)区タインコン(Thanh Cong)地区、ホアンキエム(Hoan Kiem)区ファンチューチン(Phan Chu Trinh)地区、ドンダー(Dong Da)区ランハー(Lang Ha)地区、ハイバーチュン(Hai Ba Trung)区グエンズー(Nguyen Du)地区
※1Urban Environment Company
大量のゴミが排出され、集める人がいる
アンビリーバブル! なゴミ統計
毎日どれだけのゴミが排出され、その処理にどれだけの人々が関わっているのか。
まずは正確な現状を知ることから始めよう!
ハノイ市内で1日に
回収されるゴミの総量は、
約5500t
※URENCO調べ、最終処理場における総量
家庭ごみの内訳は、生ゴミ63.2%、練炭灰9.1%、プラスチック7.2%、紙5.3%、など。全体の約7割が有機ゴミ
出典: 国立環境研究所 東南アジアにおける廃棄物データベースの構築及び廃棄物処理システムの評価(2010)
ハノイ市内には
URENCOのゴミ回収車が、
約400台
※URENCO調べ
日本から寄贈された回収車もあり、車体には日本の国旗が描かれている
URENCOの
ゴミ清掃員は、
約2000人
※URENCO調べ
約8割が女性清掃員。勤務はシフト制で、労働時間は1人当たり1日8時間
最も多くのゴミが出るのは、
ドンダー区
2位/ハイバーチュン区
3位/バーディン区
4位/ホアンキエム区
出典: 国立環境研究所 東南アジアにおける廃棄物データベースの構築及び廃棄物処理システムの評価(2010)
ハノイの分別を学ぼう
ゴミは有機・無機の2種
分別対象地区では、有機ゴミ(ザックヒウコー/Rac Huu Co)と無機ゴミ(ザックヴォーコー/Rac Vo Co)の2種類に分別される。燃える・燃えないでゴミを分別する日本と違い、ゴミを埋め立て処理するベトナムでは、土に還るものと還りにくいものとで区別するのが特徴だ。有機ゴミは緑色、無機ゴミはオレンジ色のゴミ箱に捨てるのがルール!
指定された有害ゴミはないが、スプレー缶はキリなどで穴をあけてから、
ライターは全て使い切ってから捨てるように心がけよう
路上へのポイ捨ては違法
当たり前のように路上に置かれているゴミ。実はこれ、本来は罰金対象になる立派な違法行為。分別対象地区に住む人もそうでない人も、最寄りのゴミ箱や清掃員のリアカーに直接捨てに行くのが正しいマナーだ。
対象地区以外でもオレンジ色のゴミ箱を見かけるが、分別は実施していない
分別対象地区以外でもできること
やるか、やらぬかリサイクル“YES, WE DO!”
分別対象地区以外に住む人でも、始められるリサイクル。ベトナムには、換金性の高いゴミを回収する「グオイドンナット(Nguoi Dong Nat)※」とよばれる人がおり、街中のリサイクル品を集めてくれている。対象品目をチェックして、今日からできることを始めてみよう!
※北部での通称。南部では「グオイヴェーチャイ(Nguoi Ve Chai)」とよぶ
リサイクル対象品目
※料金は目安缶・ペットボトル
フタやラベルを別にする必要はない。約200VND(約0.8円)/1本紙類
古本やダンボールのほか、使用済みのノートなどもOK。約2000VND(約8円)/1kgビン
無色透明なビンに限る。ビールビンやワインボトルなど、色付きのビンはNG。約300VND(約1円)/1本ビニール袋
種類によってはリサイクル可能。商店などでもらえるビニール袋よりも、厚手の破れにくいのビニール袋と考えてよい。約1000VND(約4円)/1kg
URENCOに
突撃インタビューゴミレンジャー(以下ゴ):まず、ゴミ分別の開始に至った経緯を教えて下さい!
URENCO(以下U):経済発展に伴って急速にゴミが増加し、ハノイ郊外のナムソン(Nam Son)村にあるゴミ処理場はパンク寸前。このような状況を受け、ベトナム政府は2020年までに家庭ゴミの30%削減を目標に掲げ、2006年に日本の支援の一環として市内4地区でゴミの分別を開始しました。
ゴ:分別活動を実施する中で、大変なことは何ですか?
U:住民の意識をどのように向上させるか。これが1番の課題ですね。分別を根付かせるには、根気強く継続していくしかありません。各関係機関との連携を強化し、堆肥化に必要な技術、コンポスト工場や回収車などの設備を整備していく必要があります。
ゴ:住民の皆さんの意識はどのように変わっていきましたか?
U:啓蒙活動が功を成し、路上への不法投棄は格段に減りました。また、自主的に環境問題に取り組む学生ボランティアが増えていることが嬉しいですね。古紙を利用して作った紙袋を、観光客が多く訪れる旧市街の土産物屋に配布するなど積極的に活動しています。
ゴ:在住外国人にも何かできることはありますか?
U:何よりも大切なことはゴミを減らすこと。分別対象地区以外でも、リサイクルなどできることはたくさんあります。ベトナムに暮らす一員として、一緒に考えていきましょう!
URENCOの清掃員が、住民に分別を指導する様子
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