第74回 疲れた時のめまいにご注意!

メディカルトーク症例

起床する際、ベッドから立ち上がろうとした瞬間に天井が回るようなめまいを感じ、立ち上がれなくなった。しばらく様子をみたが、治まる気配がなく来院。良性発作性頭位眩暈症と判断され、適切な治療を行った。

今回のドクター

レー・シ―・ラン(Le Si Lan)医師・耳鼻咽喉科/ハノイフレンチホスピタル
①グルグル回るめまいがしたら グルグルと天井が回るような回転性のめまいは、「良性発作性頭位眩暈(めまい)症」の可能性があります。特定の体位や頭の位置によって、めまいが引き起こされることが特徴です。吐き気や嘔吐をもよおし、歩行が困難になることもあります。同時に耳鳴りや難聴の症状がみられる場合は、メニエール病など他の疾患が疑われます。 ②原因は三半規管の異常? この症状は、平衡感覚をつかさどる三半規管の異常によるものと考えられています。はっきりとした原因は解明されていませんが、頭に受けた強い衝撃など、何らかの理由で三半規管の奥にある耳石器から耳石が剥がれ落ち、三半規管に入り込んでリンパ液の流れを妨げてしまいます。それが原因で平衡感覚に狂いが生じ、めまいを引き起こすのです。 ③めまいを止める方法 薬物療法のほか、浮遊耳石置換法とよばれる理学療法で治療します。浮遊耳石置換法とは、頭や体の位置を変えることによって三半規管内の耳石を排除し、めまいを止める方法です。この方法で、患者の約80%に症状の改善がみられます。ただし、自身の判断でこの方法を試すのは危険です。必ず医師の指導の下で行って下さい。 ④ストレスを溜めない生活を めまいは疲れが溜まっている時に起こりやすいといわれています。慣れない海外生活で、自分でも気が付かないうちに疲労やストレスが体に蓄積していることがあります。日頃から十分な睡眠や適度な運動などを心がけ、心と体をリフレッシュして下さい。バランスの良い食事も大切です。 また、内分泌系の疾患、脳出血、脳梗塞などからくるめまいの症状も考えられます。専門医の診察を受け、適切な検査・治療を受けましょう。
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