第8回 コムガーの
隠れた旨みをつかまえろ!
カテゴリ:男のローカルひとり飯
更新:2012/06/11 – 11:00
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最近のインフレもあり、コムガー(Com Ga/鶏飯)は高級だ。ホーチミン市5区のこの店でさえ、シンプルな(かつ、かなり少量の)コムガーが、4万5000VND(約180円)である。
コムガーの鶏肉には揚げるタイプなどもあるが、こちらは蒸したタイプ。その鶏肉がコム(ご飯)にのせられたものが店名と同じ「東源鶏飯」という名称で、まさに看板商品だ。
まずは、鶏肉を一口頂くと、鶏肉にありがちなパサパサ感はなく、肉汁を中に蓄えたしっとりとした食感で、素晴らしい。「職人技の火入れですな」、などとつぶやきながら食べ進む。
鶏肉の味付け自体は、かなり薄味で少々物足りなく思っていたが、添えられた甘辛いタレをつけた途端、鶏肉が一気に覚醒。タレの中のショウガの香りが鶏肉のレベルを上の次元に押し上げる。卓上の白胡椒をかけると、さらに香りが増幅。「黒胡椒じゃこの相性は生まれないのだよ君、わかってるかね」と、またも独りでつぶやく。
鶏のダシで炊き込まれたコムはかなり薄味で、これまた最初はインパクトに欠けるかと思いきや、今度は白胡椒に加えて海塩を少々かけた途端、味わいが持ち上がる。海水をそのまま煮詰めたような強い塩気をもつ塩だけに、かけすぎは禁物。コムの旨みを引き出す、ぎりぎりの量が肝心なのだ。
鶏肉にしてもコムにしても、奥の方に確実に存在している旨みをいかにつかまえるか、食べ手にも熟練が要求される店と言えよう。
本日のひとり飯
東源鶏飯
89-91 Chau Van Lien St., Ward 14, Dist. 5, HCMC
・「東源鶏飯/Com Ga Dong Nguyen」4万5000VND(約180円)
井之原 四郎
孤高のフーディーを自称するフードライター。食べ物である限り、食べられない物がないのが自慢。美味い料理を食べているときは自分だけの世界に入り込んでしまい、時には涙を流すことも。酒にも目がない。
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