2012.05.10

第11回 2011年後半、今度は/投資再開の時期を迷う。

ベトナム株奮闘記先月は「インフレが終息するまでベトナム株を買わない」という投資方法について書きました。そして、実際に2011年1月から実践してみたのです。持っていた株をすべて売却したとき、VN指数は500ポイント近くでした。そして、1年後の2012年の1月5日には、指数は340ポイントになっていました。私の方法は一応成功したのです。現金で証券口座に置いていたため、利子もいくらか貰えました。 さて、次に問題となるのは、いつ株を買うかです。本当にインフレが完全に終息してからでいいのでしょうか? 日本では株は実際の経済に先行して動くと言われています。 実は2011年に一度株を買いました。8月に物価上昇の勢いが弱まったからです。そして、貿易赤字も縮小し、経済状況がよくなる気配を見せ始めたときでした。 ここで買うべきか迷いました。まだ、先行きが不透明な状況です。なので、資金の5分の1ほどを買ってみたのです。翌月の9月にはVN指数も14連騰と上昇し、今度は本格的に買うかを考えました。ですが、それ以上は買いませんでした。まだまだインフレが収まるようには見えなかったからです。本格的に買ったのは2012年の2月になってから。やっと明るい兆しが見えて来たときでした。

今月の一喜一憂

2012年3月、ベトナム政府がついに金融政策を転換しました。2009年12月に金利の引き上げがあって以来、やっと下げる方に舵を切ったのです。

長かった。これは大きな出来事なのです。少なくとも政府はインフレが終息したと考えている証拠だからです。もし終息したなら、これからベトナム株が本格的に上昇を始めてもおかしくありません。今日にも、明日にも!

しかし、市場は案外静かです。どうしてでしょうか? まだ、経済状況はよくない、と投資家は考えているからかな?

脇田 敦 わきたあつし ラジオNIKKEI株番組の元ディレクター。2008年ハノイへ移住。ライター業のかたわら、ベトナム株を取引。著書に『日本サッカー狂会』(国書刊行会)など。 http://d.hatena.ne.jp/wakita-A