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第2回 誠実な蟹春巻き

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カテゴリ:男のローカルひとり飯
更新:2011/12/01 – 11:50

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Quan Nem
男のローカルひとり飯ホーチミン市は今日も暑い。日本人としては冷房の効いた店で食べたいこともあるが、ランチの上限は5万VND(約190円)。通常、冷房のある店は10万VND(約370円)程度だが、そんな高級店には行けない。そこで廉価でも冷房ありの、ハイフォン名物料理「蟹春巻き」を出す店に向かう。

注文すると、香草、ブンという米の麺、野菜入りヌックマムダレが供される。だがこの後、ランチの混雑時には20分程待たされる。注文を受けてから揚げられる、実に誠実な蟹春巻きといえるのだ。

通は、待っている間にブンや香草にヌックマムをかけて食べたりしない。料理を不完全な状態で食べるのは店に申し訳が立たない。兎に角、主役の登場を待つ忍耐力が試される。

待ちに待った蟹春巻きは、握りこぶし大の巨大サイズ。店員が大きな金色の真鍮製のハサミでザクザク切り分けると湯気が立ち上ってくる。はやる気持ちを抑えて、まずこの蟹の香りいっぱいの湯気を存分に楽しむ。

おもむろに器にブンを入れ、香草をちぎり、蟹春巻きを入れ、ヌクマムをかけてから食べる。やや水気の多いヌックマムの緩やかな塩分と甘み、そして唐辛子のピリッとした辛味が、蟹の旨味、春巻きの香ばしさと実に良いバランスを成している。サクサクした食感と、具の細かく切られた春雨が舌の上を転がっていく感触も楽しい。そこに入れ替わり立ち替わり登場する、ノコギリコリアンダー、パクチー、シソ、ミント、ドクダミの香り。ああ、幸せだ。

本日のひとり飯:
Quan Nem
15E Nguyen Thi Minh Khai St., Dist. 1

・「蟹春巻き/Nem Cua Bien」3万6000VND(約130円)/1個
・「米麺ブン/Bun」5000VND(約20円)

井之原 四郎
孤高のフーディーを自称するフードライター。食べ物である限り、食べられない物がないのが自慢。美味い料理を食べているときは自分だけの世界に入り込んでしまい、時には涙を流すことも。酒にも目がない。

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