終わり行く時代から激動の時代へ／フエ王宮四方無事楼（1923年）

フエの王宮（Cung Dinh Hue）は、４つの大きな門を構えて、それぞれに見張り台を兼ねた建物があった。北の和平門横の、その名の通り四方に広く開かれた「四方無事楼」は1923年、グエン（Nguyen／阮）朝12代皇帝カイディン（Khai Dinh／啓定）の命により建立。ベトナム戦争当時に陸戦の地となり、和平門から城内に進入した米軍によって破壊されたが、近年再建された。 カイディン帝はグエン王朝最後の皇帝バオダイ（Bao Dai／保大）帝の父であり、大のフランス好きで知られる。建物２階の梁に施された彫刻は、さほど煌（きら）びやかさはないものの、伝統様式の建物内にシャンデリアが吊るされており、皇帝のフランス好きが伺われる。 現在はカフェとして営業している。激動の時代を偲びながら、ゆっくりお茶を飲むのもいいだろう。

夕暮れ時は外を眺めながらのお茶タイムもいい

北門の「和平門」

日中であれば、２階席で四方から流れる風を感じながら、 フエの歴史の本でも読んでみたい

Lau Tu Phuong Vo Su 住所：Cung Dinh Hue, Hue（フエ王宮内北門隣） 電話：090 288 6555 営業時間：7:00～22:00 (L.O. 22:00) 入場料：【大人】5万5000VND（約210円）、【子ども】（6～10歳）1万VND（約40円）、（5歳以下）無料 ※北門から入れば、入場料は無料。王宮見学の場合は、上記料金が必要